先回の記事の続き。
うちに配本が無かった。しかしお客様に尋ねられた。ある巨大書店には100冊以上あった。
これは明らかに取次の配本ミスですよね。あの巨大書店に99冊でうちに1冊という配本になっていれば、あの激怒されたお客様も満足し、リピーターとなっていたかもしれません。
さて、
出版社に電話をすると、「重版検討中です」とか「返品待ちです」と言われることがほとんどです。
上記の銘柄も出版社に注文すれば「在庫無し、保留注文受付中」ということになるでしょう。
弱小書店からしてみれば、なぜ売れている商品なのに重版しないのだろう、なぜこんなに話題になっているのに返品待ちという待ちの姿勢なのだろう、この出版社アホちゃうか。そう思っていたのですが、要するに、出版社の倉庫には在庫がないけれど、おそらく返品されてくるであろう商品が全国各地の巨大書店にわんさとあるからなんですよね。
我々のような書店が「3冊くれ」「5冊補充」と言っても彼らが聞かないのは、あの巨大書店が100冊のうち35冊ぐらい(業界的には返品率はこれくらいらしい)返品してくるであろうから、数ヶ月後に返品されてきたら、それを‘回す’ということなんでしょう。
数ヵ月後に送られてきた弱小書店にとっては、完全に時期を逃した商品なので、今更売れることもなく返品する(返品率100%という計算になってしまう)。で、結局、我々の書店は「おたくは商品送っても売れませんよね、配本減らしますね」と取次や版元に言われ、配本を減らされます。配本が減らされるということはつまり新刊が入ってこないことになって、、、、、以下、昨日の文章へ戻る。。。。。
これを繰り返すことで弱小書店は潰されるのです。取次と版元に。
町の本屋さんが消えていくのは、彼らが杜撰な経営をしていたからではありません。
むしろ顧客1人1人を頭にインプットして、おすすめの商品を紹介してくれたり、取っておいてくれたり。こまめに店内を整頓していたり。商品知識だってかなり持っていたはずです。手数料もとらずサービスでご近所さんに配達している店もあります。みんな頑張ってます。
でも、潰れます。閉店していくのです。
配本が無いから
これが理由です。取次や版元が新刊や売れ行き良好書を配本してくれないから。取次や版元が小さな書店を追い込むのです。
新刊が入ってこない書店は、新鮮な酸素が吸えない状態と同じです。いずれ死にます。
取次&版元の若い人たちは何とかしたいと思ってるのかな。
でも古い体質は変えられないのかな。
この業界にも老害がたくさんいるのかな。
取次界&版元界にもホリエモン的な人物は現れないかな。
posted by 150turbo | 2005年02月28日 03時40分
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