2008年02月24日

女性誌の落ち込み

書きたいと思ってたことが「60坪書店日記」さんのところに既に書かれていた。
コチラ


なんだかんだ言っても、赤文字雑誌のトップをいくらかの馬身差をつけて逃げるのは「CanCam」。
しかしながら、その差は明らかに縮まってるのも事実。
他誌も同時にバテてるのが残念なんだよな。どれかが抜くかなと思ったけれど。せめて競り合ってほしいもの。


CanCamが付録をつけてきた、というのは危機感なんだろうと私も単純に思った。あれは禁断の果実だ。(※1)

もうひとつ加えるならば、かなり大きめの店内掲示用ポスターを用意してきたのも気になった。
付録と特大ポスターで、ちょっと必死感が滲み出てるのはあるね。



あと、表紙はやっぱりこの2人なんだなぁ、というのが大きい。
もっともモデル事務所もたくさんあるし、そこでのやり取りまでは分からないけど、結局この2人に頼ってるのはなんとも日本代表におけるカズ+ゴン的なものを感じ取ってしまったり。古すぎか。


徳澤・西山が伸び切れてないのか。本誌をじっくり見てるわけではないので詳しいことはわからないけど。
個人的にはこっちの2人の方がいいんだけど、それはオトコ目なのだろうか。(※2)

エビちゃんというのは、「あゆ」と一緒で、一定の支持者が確実に押さえてるのかなとは思うけど。



間もなく一周年を迎える姉妹誌「AneCan」だけど、これも先月だったっけ、押切のワントップだったのが、高垣を電撃移籍させてきてツートップにしたよね。


いろいろ手を打てども女性誌は売れなくなってきたね。
ファッション系のウェブサイトが少ないことからも分かるように、ネットで得にくいのがこのへんの情報なんで、ファッション雑誌の落ち込みは本当に厳しい。
(かわりにカタログ誌がよく売れるか)

本誌が売れなくても広告収入でガッポリだから、みたいな話もちょっと前にどこかで見たけど、これだけ本誌が売れなくなると広告も厳しくなってくるんじゃないかと思う。
男性誌「LEON」なんてこんなに薄い本だったっけ? とここ数ヶ月ずっと思ってる。


実売冊数はかなわないけど、レジで受ける印象としてはギャル系が相変わらず強いね。
Popteen」は急ブレーキがかかったけど、「Ageha」が強いし。



ところで、
香里菜のショート。
貴重だと思ったのに、エクステに騙されるとは。
赤文字雑誌はショート厳禁?







主婦の友社は、同じ出版社なのに、エクステ「Ray」とそのまま「mina」
コチラ




(※1)今月号の売れ行きがいいと、来月以降も付くのかなぁ…。メンドクサイ…。面倒は別にしても、付録は絶対に損。うちは見本誌を用意するけど、全縛り・全シュリという店も多々。中が見えないとますます買わないよ、というのはコミックと同様。
「ほんね」さんのとこで書かれてた話はコミックに限ったことではないよ。

(※2)エビ子カレンダーと西山カレンダーの販売結果は大差だったのだろうか?(どっちにしても本誌の写真使い回しはどうよとも思うけど)
posted by 150turbo | 2008年02月24日 22時03分 | Comment(0) | TrackBack(0) | [雑誌] はてなブックマーク - 女性誌の落ち込み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月19日

ケータイ小説は失速したか

年末年始は、雑誌のデアゴが大盛り上がりでしたが、書籍の方ってどうでした?


「ホームレス中学生」とか「余命1ヶ月の花嫁」あたりでしたかね。

麒麟田村の(ほぼ)ノンフィクションであったり、「がん」というリアルなものでしたが、これらがケータイ小説の層にそのまま受け継がれてるんですかね。



(本来の意味での)ケータイ小説ってどうなったっけ?


昨年のベストセラーを見てみましょう。

まずはトーハン(2007年 年間ベストセラー〈単行本−文芸〉部門)。
http://www.tohan.jp/tohan-news/07-12-04a.html


1 恋空(上・下)
2 赤い糸(上・下)
3 君空
5 もしもキミが。
7 純愛


続いて日販(単行本フィクション)。
http://www.honya-town.co.jp/hst/HT/best/year.html#02


1 赤い糸(上・下)
2 恋空(上・下)
3 君空
7 もしもキミが。
8 純愛


上位2つが入れ替わってるだけで、順位も似たようなものです。


※アマゾンはやはりPCが主流なのか、決済の面とかで中高生には使いにくいのかもしれないです。→ コチラ





出版年月を書き加えます。

恋空 (06年10月)美嘉/スターツ出版

君空 (07年10月)美嘉/スターツ出版

赤い糸 (07年2月)メイ/ゴマブックス

もしもキミが。 (07年1月)凛/ゴマブックス

純愛 (07年1月)稲森遥香/スターツ出版


「恋空」は前年の2006年から引っ張っているものだし、2007年の10月に出ている「君空」は恋空のパート2ともいえるだろうし、映画化の影響もあっただろうし。
となると、純粋に年間ベストセラーに入ったのは年の頭に出ていたわけですね。
(年始めに出たものがロングで売れたから年間ベストになりやすいのかもしれないけれど)


さて、今年の1月と2月どうでしたか?
目立ったケータイ小説ってありましたっけ?

日販の今年1月のデータを見てみましょう。
なんと、いまだに「君空」と「恋空」が上位に入っていますが、そこまでです。新作は無いのです。


うちの店のように、地方の郊外ではこういった本が本当によく貢献してくれるんですね。直木賞とか本屋大賞とかはあまり影響がない。なので、売上げが厳しくなってきそうです。
美嘉とメイの新作待ちかなぁ。出るのかなぁ。
それとも新人が3月以降に出てきますかねぇ。

最近の中高生ゎ、何を読んでるんでしょうか?



今後のラインナップを調べてみたところ、
今月10日に双葉社から「七年後」が出てますね。
あと、25日にぶんか社から「Dear 涙雨。」、29日にスターツ出版から「ラスト・ゲーム」が出る予定らしいです。
この3点がどれくらい伸びるかじっくり見てみようと思っています。




今月の新刊です。未読。読まなくちゃ。
posted by 150turbo | 2008年02月19日 21時00分 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 はてなブックマーク - ケータイ小説は失速したか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月12日

お久しぶりです(2/17追記あり)

みなさん、お久しぶりです! 150turboです。


年明けから2ヵ月、なんとか頑張ってやっております。



それにしても、年明けからずっと「デアゴ」の話題が途切れませんね。

アルバイトやパートの方とも話しているのですが、書店人ということを忘れ一個人としてでは、
創刊号400円 + 2号〜99号1000円、、、ジュウマンエンっ! と普段使わない頭が超高速に計算し、「ありえないっ・・・ただでさえ薄給・・・無理っ・・・」と、ざわざわしてしまいますね。

ジュウマンエンあったらその分野の書籍が何冊か買えるじゃないか、と常に打算的になってしまいます。



ですが、

これが一個人ではなく “書店員” となると、話は真逆。これは相当にありがたい商売。

(以前はデアゴに対してあまり良いイメージは持ってなかったのですが、最近ちょっと変わってきました)


思いつくメリットとしては、

CanCam600円、月刊で50冊を売るのが厳しくても、
デアゴ600円、週間で15冊売るというのは(今のところ)厳しい数字ではないのですね。

週刊誌はだいたい250円とか300円ぐらいですよね、ですから月刊誌並みの金額が週単位で入ったりするわけです。おいしい。

炸裂していた「SQ」(500円/月刊)もすっかり落ち着いてしまいました。「CanCam」(620円/月刊)も以前ほどの売れ行きではありません。その中での600円/週刊とか1000円/週刊ですからね。

出版不況と言われる中、雑誌なのに広告無しで驀進中です。


もうひとつのメリットは、書店員を朝から思いっきり悩ませる付録づけがないことですね。
まぁ、デアゴの場合は付録という言い方はおかしいのかもしれませんけども。

さらには専用の手提げ袋までついてるので、店舗のコスト的にも助かったり、デアゴ自身もいい宣伝になってるんだと思います。


あとは、以前は注文のための電話が繋がらなくてサイアクだったのですが、バックナンバー発注用のサイトができまして、重版情報ものっていてけっこういいわけです。
週刊誌で(しかもバックナンバー)の発注がラクにできるというのはこの業界ではわりと先端といえるのではないでしょうか。

ちなみに、重版情報の欄で、「在庫切れ」のときはかなりグロめの髑髏の絵が出るんですよね。。。



ところで。


よく「ディアゴ」と間違えられますが(現役書店員でさえ間違ってる人いる)、正しくは「デアゴ」。「デアゴスティーニ」です。

元々はイタリアの出版社で、ジョバンニ・デ・アゴスティーニという人が作った会社なんですね。
「デアゴ」という略し方は本当は良くないのかもしれないですね。レオナルド・ダ・ヴィンチをダヴィとは略しませんし。


それでは、せっかくですので、デアゴのイタリア本社のサイトを見てみましょう。

http://www.deagostini.it/deaweb/it/


「こ、これはっ!?」

左の「In edicola」のプルダウンを見てください。なんですかこれは! 
ジャパニメーション!
日本国内で先にやれよ! と叫びたくなりますね。


こんなものも。「週刊地図」でしょうか。
http://atlmondo07.deamail.it/

「週刊で地図てw」
と思ったのですが、wikipediaにも記載がありますように、設立者のジョバンニ・デ・アゴスティーニさんは地理学者で、世界地図の普及を目的に会社を立ち上げたのでした。



最近では、TBSの朝の番組「がっちりマンデー」にも取り上げられてましたね。
http://www.tbs.co.jp/gacchiri/oa20080210-mo1.html

マーケティングに1年以上という時間をかけているわりに、ムシキングのときに昆虫、初音ミクのときにDTM、ヤッターマンのときにガッチャマンとタイミングがバッチリ合わせてきてるのがすごい。


まだ自分の中で解決できてないのは、

・デアゴスティーニとか、デルプラド(デルプラはすでに消滅)とかイタリア人は分冊百科が好きなのか?

・雑誌なのに広告ゼロ。広告収入ナシ。(追記:おまけにゴールデンにCMバンバン打ってる)


あたりですかね。



個人的には、19日発売の「世界名作劇場」が年始からの一連の中で最もキラータイトルになるのではと思っているものです。
http://www.de-club.net/smd/



▼「悠々日記」さんのところに、アシェットの『まんがの達人』についての記事があります。
 →コチラ
『まんがの達人』は44万部、『歴史のミステリー』は100万部が完売したそうです。


▼「日刊サイゾー」さんのところに、デアゴについての記事があります。
 →コチラ
06年12月期の業績は、売上高が200億円とあります。








やっぱりインプットばかりでアウトプットがないと苦しくなってきますね。
次はいつ書くかまだ決まってません。
デアゴのネタできたんだから週1で書くんじゃないのかと突っ込まれそうですが、隔月刊とか季刊とかになるんじゃないかな?



私の欲しい『週刊○○』は?(続きを読む>)
posted by 150turbo | 2008年02月12日 22時57分 | Comment(2) | TrackBack(1) | [雑誌] はてなブックマーク - お久しぶりです(2/17追記あり) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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